ノートパソコンの寿命~パソコンは何年使える?
ノートパソコンを購入するとき、何年くらい使えるんだろうというのが気にならないでしょうか?いいパソコンを買ったとしても、すぐに使えなくなるのではないかと心配になるかもしれませんね。
パソコンは何万円もするので、できることなら長く使い続けたいものです。このページでは、ノートパソコンの寿命はどれくらいなのかということについてご紹介したいと思います。
目次
寿命の定義は2つ~パーツの故障と性能に不満が出ること
まずパソコンの寿命について考えてみます。寿命というと、パソコンが壊れてしまって動かなくなることが最初に思い浮かびますが、それだけではありません。
したいと思うことに対してパソコンの処理が追いつかなくなるなど、性能に不満が出てくることも該当します。このような状態になった時が、古いパソコンを捨てて新しいパソコンを買い替えるタイミングになります。
長く使い続けるとパーツの故障確率が上がる
パソコンが物理的に壊れてしまうことというのは避けて通ることができません。長期間にわたって使っていると経年劣化はどうしても起きてしまいますので、SSDやハードディスクなどのパーツの故障に遭遇する確率が上がります。パーツの故障で多いものは、主に以下のようなものがあります。
・SSDやハードディスクが壊れる
・ファンが壊れる
・メモリが壊れる
・電源が壊れる
・バッテリーの故障
・モニターの故障
・ファンが壊れる
・メモリが壊れる
・電源が壊れる
・バッテリーの故障
・モニターの故障
故障の原因で一番多いのはSSD / ハードディスクです。
SSDは熱や電気的な刺激(静電気、落雷などの過電流)などに弱く、条件が悪いと故障の原因になります。
また、ハードディスクは内部で記録ディスクが回転していますので、経年による劣化などによって故障しやすくなります。
SSDやハードディスクが壊れると、最悪の場合、保存したデータが飛んでしまいます。修理に出すと当然工場出荷時の状態に戻されますので、データは消えてしまいます。このため、普段からこまめにデータのバックアップを取っておくことがとても重要です。特にレポートや卒論作成中に故障しても泣かないようにしておきたいものです。
故障したパーツによっては交換や修理に出すことで使い続けることができます。保証期間内であれば無料で修理してくれますので費用は発生しませんが、長く使い続けていると保証期間も切れ、実費が発生するようになります。
修理代だけで数万円ということもあります。修理したうえで使い続けることもありますが、修理に数万円もするのであれば、新しいパソコンを買った方が早い、ということもあります。その場合には故障したパソコンは使われなくなり、寿命を迎えることになります。
購入からどれくらい経つと故障する?
パソコンのパーツが故障するのは、初期不良の場合だと購入から1年以内、経年劣化による故障の場合は5~6年を過ぎたあたりから確率が上がってきます。
工学の分野では、機械や装置が運用され始めてから寿命を迎えるまでに間の故障の発生率をグラフにしたバスタブ曲線というものが知られていますが、パソコンもこのグラフに当てはまります。
実際、1年目の故障率は高く、2年目や3年目でも数%は故障するという統計データがあります。
2023年3月実施の内閣府消費動向調査によると、パソコンの平均使用年数は7.7年という結果になっています。最近のパソコンは寿命が延びて長く使えるようになっていることがわかり、安心できるデータです。
パソコンの買い替え理由については、故障が56%となっていて半数を超えています。バスタブ曲線の通り、使用年数が7年近くになると故障がぐっと増えるようです。
ただ、気をつけないといけないのは、平均使用年数が7.7年だとしても、その間に一度も故障がないとは限らないということです。
購入から7年も経つと保証も切れ、修理に出しても数万円の費用がかかるので、それだったら性能の良い新品を買おうかという人が多いのだと思います。
しかし、下で解説しているように、メーカーの標準保証や延長保証を利用することで、故障があっても費用がほとんどかからなければ、同じパソコンを使い続けることができます。
万が一の故障のための保証期間
もし、購入から1年以内に故障した場合は、メーカーの保証期間による対応がききますので、データのバックアップさえ気を付けていれば、無料で修理してもらえることが多いです。
ただ、メーカー保証が切れると修理費用が発生してしまいます。故障内容によっては数万円の費用がかかります。そのため、できればメーカー保証は長い方が理想的です。万が一故障が発生しても追加費用なしで修理してもらえます。
通常パソコンのメーカー保証というのは1年のことが多いのですが、メーカーによっては3年保証があったり、5年保証があったりします。
たとえば、世界最軽量のノートパソコンであるLIFEBOOK UHシリーズや15.6インチのホームノートPCであるLIFEBOOK AHシリーズなどの富士通製のノートパソコンであったり、VAIO SX14などのVAIO製ノートパソコンは直販サイトで購入すると、追加料金なしで標準のメーカー保証が3年もあります。2年目以降に故障が発生しても無償で修理してもらえるので非常に安心です。
保証期間が標準で3年もある富士通LIFEBOOK UHシリーズ。有償で最長5年まで延長することが可能。世界最軽量で持ち運びに便利なノートパソコン。
ほかにも1kgを切る超軽量なノートPCのdynabook GZシリーズや軽くて使いやすい15.6インチのdynabook PZシリーズなどのDynabook製ノートパソコンであったり、美しくてスタリッシュなデザインで人気のHP製ノートパソコンなどは、直販サイトで購入すると3年または5年の延長保証を有償でつけることができます。
追加の費用が発生するのが残念ではありますが、PCを買いなおす費用を考えると、5年も保証してくれるのはとても心強いです。
しかし、経年劣化による故障は避けて通れませんので、購入から5~6年を過ぎたパソコンは故障に注意するようにしましょう。もちろん、5~6年を過ぎても故障することなく長期間にわたって使い続けられることも多いですので安心してください。仮に故障したとしても、パーツにもよりますが、修理によって10年以上使い続けることも可能です。
14年間使い続けることができたノートパソコンの例
実際、私の手元には2003年に購入した東芝製(現Dynabook製)ノートパソコンが2017年6月まで動いていました。
ただ、後で詳しく書きますが、このパソコンは最初はメイン・マシンとして使っていたのですが、途中からは性能不足を感じるようになったために、サブマシンとして別の用途で使っていました。
私が実際に使っていた2003年購入の東芝製dynabook。現在から見ると、古めかしさを感じますが、さすが世界で初めてノートパソコンを発売した会社だけあって、14年もの長期に渡って使い続けられました。現在、東芝のPC事業はDynabookに社名変更してPCの製造・販売を行っています。Dynabook製のノートPCはこちら。
このパソコンはまず、2006年にハードディスクが故障しました。購入から3年目で故障したということになります。修理に出しましたが、延長保証に入っていなかったので修理代に1万3千円程かかりました。これは少し残念でした。
ハードディスクの故障なので、データは完全消去されてしまいましたが、幸いにもデータのバックアップをとっていたので無事復旧させることができました。一度故障はしてしまいましたが、修理によって使い続けることができている例の1つだと思ってもらえればと思います。
また、しばらくしてからバッテリーも故障しました。充電が正常に行われなくなってしまったのです。バッテリーは自分で購入して交換したらすぐに直りました。部品交換で済みましたが、3000円ほどかかりました。バッテリーは市販で買えるものなので、故障しても被害がほとんどありません。
このパソコンは修理に出して復活させたのですが、それからしばらくして「このパソコンは遅くなってきたな」と感じるようになりました。修理に出して直したのに、すぐにパソコンの性能に不満を感じるようになっていたのです。それからはメイン機としては使わずに、サブマシンとして使用するようになりました。
そして、購入から14年後、とうとうハードディスクが故障したため、このパソコンを廃棄することにしました。さすがに現在のパソコンと比べるとスピードも遅いのは明らかで、修理に出すことはありませんでした。
でも、メインパソコンとしては使わなくなったものの、14年間も使い続けられたので大変感謝しています。電源が入らないなどの致命的な故障はなく、よく使うことができたなと思います。
ノートパソコンを故障から防いで寿命をのばす
ノートパソコンの故障を防ぐための方法のページにもまとめていますが、注意しておけばノートパソコンを故障から守ることができます。ノートパソコンの寿命を延ばすことができるようになりますので、普段から気をつけておくと良いと思います。
具体的な方法としては、以下のようなことが挙げられます。
(1) 持ち運ぶときは振動や衝撃をなるべく少なくする。
(2) 飲み物をこぼさないように気をつける。
(3) ノートパソコンの排気口付近に物を置かない。
(4) ノートパソコンの上に物を置かない。
(5) 結露に気をつける。
(2) 飲み物をこぼさないように気をつける。
(3) ノートパソコンの排気口付近に物を置かない。
(4) ノートパソコンの上に物を置かない。
(5) 結露に気をつける。
振動や衝撃を避ける
ノートパソコンをカバンに入れて大学に持っていくなど、持ち運ぶ際は振動や衝撃がなるべく加わらないように気をつけましょう。
ある程度は仕方がないのですが、パソコンに衝撃が加わりにくいケースやカバンを使用するなどの対策がおすすめです。
飲み物をこぼさない
お茶やコーヒーを飲みながらパソコンで作業をすることは多いと思います。でも、キーボードなどに飲み物をこぼしてしまうとパソコンの内部に水分が入り込み、故障の原因になります。作業中はコップを遠ざけて置いておくなどの注意が必要です。
排気口付近に物を置かない
ノートパソコンの使用中は熱を出します。パソコンの内部を冷やすためにファンが回転しその熱を外に逃がします。熱は排気口を通って外に出るのですが、その排気口がふさがれてしまうと、うまく排熱できなくなってしまいます。内部の温度が上がりすぎると故障の原因になるため、排気口付近に物を置かないように気をつけましょう。
ノートPCの上に物を置かない
ノートパソコンの上にノートや本などを置いてしまうことがあるかもしれません。最近のノートPCは耐久性を高めたものが増えていますが、長時間(数日~数か月)に渡ってPCの上に物を置くのは故障の原因になります。ディスプレイが正常に映らない、パソコンが起動しないなどのトラブルが起こります。
結露に気をつける
寒いところから温かいところに入ると眼鏡が曇ってしまうというようなことがあるように、温度差や湿度によってパソコンが結露することもあります。窓の付近にパソコンを置いて冷たい夜の空気にさらされてしまったりするなどないように気をつけましょう。
性能劣化による買い替え
パソコンが寿命を迎えるもう一つの要因として、性能の劣化があります。購入時は最新の性能を誇っていても、時代の変化でパソコンの性能が足りなくなってくるということがあります。
たとえば新しいOSが登場すると、高い性能のCPUでないと動かなかったり、多くのメモリを必要とするようになります。
ソフトウェアも年々多くのメモリを必要とするようになってきていて、少ないメモリのパソコンだと動作させるのにストレスを感じることもあります。ソフトウェアによっては必要とされるCPUが決まっているものがあり、古いパソコンだとインストールすることさえできないこともあります。
上にも書いたように、私は2003年に当時の最新のノートパソコンを購入したのですが、2003年~2009年という時代はメモリ容量の増大化やCPUの高速化がとても盛んな時代だったため、3年も経つとかなり時代遅れなものになっていました。特にソフトウェアが必要とするメモリが増えていて、1つのソフトを立ち上げただけで処理が遅くなってしまったりという具合に、パソコンを快適に使うことができなくなっていました。
結局、このときに私は壊れたパソコンを修理にも出しましたが、すぐに新しいノートパソコンも購入しました。修理したパソコンは正常に動きますが、それ以来メインのパソコンとしては使わなくなり、サブとして使っています。修理したパソコンは本来の役割を終え、寿命を迎えたことになります。
1年たったらただの箱というのは昔の話 - 最近のパソコンは性能に不満を感じるまでの時間が長くなった
IT環境がどんどん良くなっている限り、パソコンの性能に不満を感じるようになってパソコンを買い替えるということは避けて通ることができないことだと思います。
上にも書いた通り、2003年~2009年というのはCPUの高速化やメモリの増大が盛んな時期で、どんどんいいパソコンが登場する時代でした。パソコンは1年経ったらただの箱、と言われたものです。
しかし、2015年を過ぎたあたりからパソコンの性能がかなり成熟してきています。2015年にはWindows 10が登場しています。この辺りから、パソコンの高機能化がひと段落ついた感があります。
特に最近発売されるパソコンは性能が高いものも多く、普通に使う分には十分な性能を発揮するようになっています。
たとえば、私が2017年に購入したノートパソコンは、今でも現役で使うことができています。2024年の時点で購入から7年経ちますが、幸いにもまだ一度も故障はありません。
CPUは最新のものと比べると性能は半分以下ですが、8GBのメモリとSSDを搭載しているため、パソコンの起動や終了、アプリの動作もまずまず快適です。
もちろん、WordやExcel、PowerPointといったOffice製品も問題なく使えます。ネットをするにしても特に問題はないです。動画の視聴、画像の閲覧、音楽鑑賞なども楽しむことができています。
ただ、やはり最新のパソコンに比べると少し遅いかなという印象はありますので、このノートパソコンはもう少しで現役を退くのかなとは思っています。
2003年に購入したノートパソコンは購入から3年経った時点でかなり動作が遅くなってストレスを感じていましたが、2017年に購入したノートパソコンは同じ年数が経過した時点でもとても快適でした。性能の劣化を感じるまでの時間が長くなっていることの良い例だと思います。
そして、2024年現在発売されているノートPCは、最新の良いCPUとメモリを搭載しているものを選べば、非常に性能が高いものを購入することができます。性能に不満を感じるまでの時間が長くなってきていますので、パソコンの寿命も伸び、長く使い続けることができるでしょう。パソコンは1年経ったらただの箱、というのは一昔前の話になりました。
買ってすぐに性能に不満が出ないようにだけ気をつける
最近のパソコンは性能が高くなったといっても、用途によっては性能が不十分と感じることもあります。
一つだけ気を付けたいのは、購入当初に予定していた使い方では十分な性能(スペック)でも、やりたいことが出てきたときに性能が足りないと不満を感じてしまい、結果的にパソコンの買い替えが早まってしまうことがある、ということです。
たとえば、当初はネットとレポート作成だけ対応できればいいやと思って、低い性能のパソコンを購入したとしても、大学入学後、友達と遊んだりサークル活動を通じて撮りためた動画や写真などをパソコンで編集しようとした時にパソコンの性能が足りなくて全然使えない、ということも起こります。
他にも、音楽活動やイラスト作成、デザインなど、パソコンを使って何かクリエイティブなことをしたいという場合にも、性能が低いと使い物になりません。普通に使っている場合でも、性能が低いパソコンでは、複数のソフトを同時に使う場合に重いと感じるようになります。
また、学業においてもどのような講義や実習があるかはわかりにくいことが多いです。特に理系の場合には、4年生進級時に所属する研究室によって処理性能の高いパソコンが必要になることもあります。
大学はいろいろな出会いがあるので、パソコンを使ってしたいことが増えるかもしれません。大学生はいろいろな可能性を秘めているので、伸びたい方向に伸びることができるようにしておくのが良いと思います。
パソコンを購入する際は、最低限の性能というよりは少し余裕を持たせた性能にしておくと、新たにしたいことができても買い替えることなく対応でき、パソコンの寿命を伸ばすことができるようになります。
この記事を書いた人
石川 |
著者の詳細はこちら
1.パソコンメーカー各社の延長保証サービスを比較
2.大学生の使用用途で比較するノートパソコンの性能
3.大学生のノートパソコンに最適なCPUは何?
4.大学生のノートパソコンのメモリ容量の選び方
5.大学生のノートパソコンのサイズは何インチが最適?
6.レポートや卒論作成中に故障しても泣かないために
7.ノートPCを使うときによくある最も危険なこと
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