理系の研究室でのパソコンの使用例



大学の研究室に配属されると、本格的な研究生活が始まります。研究生活とパソコンは切っても切れない関係です。レポートを作成したり、データを解析したり等、パソコンが活用される場面は多岐にわたります。特に理系においては数値解析やシミュレーションなど専門的な処理を行うためにパソコンはフル活用されますが、理系の研究室では、具体的にどのようにパソコンが活用されるのでしょうか?


Wordでのレポートや論文の作成


これはほぼすべての研究室で行われているといっても過言ではないでしょう。理系にとどまらず、文系においても必須の作業です。


研究室では1週間から2週間に1回、研究室のメンバーで集まって研究の進捗を発表する場が設けられます。実験等で得られたデータをまとめたり、実験手順や結果などを文章で記述していくのにWordがよく用いられます。


Wordでデータをまとめる際に、得られた結果を見やすくグラフにしたり、画像処理を行うこともあります。下で紹介するようにExcelでデータを処理してグラフを書くこともあれば、専門のソフトで解析した結果をグラフ表示することもあります。


実験で撮影した写真などはパソコン内で処理を行うこともあります。これらの処理で得られたグラフや画像データをWordに張り付けて見やすく整えます。進捗発表時にはこのレポートを印刷してメンバーに配布し、みんなの前で発表することになります。


こうして少しずつ日々の研究成果を積み上げて、最終的には論文として発表します。


研究者の最大の仕事は論文発表と言ってもいいかもしれません。論文は専門誌に投稿し、審査委員に審査されることになります。投稿の際には専門誌によって規定があり、それに従う必要がありますが、ほとんどの場合Wordで記述し投稿することになります。


EndNoteというソフトなど、論文作成支援用のパソコンソフトも市販されており、これらを使うことも多々あります。




卒論や学会発表などPowerPointでのプレゼンテーションの作成


こちらも文系・理系問わず必須の作業になります。


研究生活を送るようになると、年に何回か大きなプレゼンテーションをする機会があります。その集大成が卒論発表であったり、修士課程や博士課程の場合であれば修士論文発表会や博士論文発表会です。卒論の場合は1年間、修士や博士の場合は2~5年かけて蓄積した研究成果をまとめて大勢の前で発表します。


この場ではPowerPointで作成されたスライドを、プロジェクターを使ってスクリーンに映し出すことになります。研究室で定期的に開かれる進捗ミーティングではWordでも良かったですが、このような正式な場ではPowerPointが良く使われます。見やすく綺麗に仕上げて、研究成果をわかりやすく伝える必要があります。


また、研究が順調に進めば学会発表ということもあります。卒論発表会よりももっと緊張することでしょう。学会ではポスター発表と口頭発表という2つの形式がありますが、後者の口頭発表をする機会があればPowerPointで発表原稿を作成することが必要になります。大勢の人が入ることができる会場で、大きなスクリーンにPowerPointで作成したスライドが映し出されることになります。


ポスター展示というのは、研究成果を1枚~20枚程度の紙にまとめて1つの大きな板にポスターとして張って発表するというものです。このポスター原稿を作るときにもPowerPointを使えば簡単にきれいに仕上げることができます。特にA1という大きなサイズで作成するような場合には、PowerPointは重宝すると思います。



Excelでのデータ処理


理系であればほとんどの研究室で必要となる作業だと思います。文系においてもすべての研究室(ゼミ)とは限らないものの、Excelを使うことは多いのではないかと思います。


実験などで得られたデータを処理するのに、Excelはとても便利なソフトです。表形式でデータを記述して簡単な操作を行うだけで手軽にグラフが作成できたり、計算処理をまとめて行うことができたりします。Excelだけでもかなりいろいろなことができるので、実験データの解析などによく使われます。


研究者の学会発表を見ていても、Excelで作成したグラフを見せていることが多くあり、日常的なデータ処理から発表レベルの原稿まで幅広く適用することが可能です。また、似たような専門ソフトも多く市販されていますので、Excelの使い方がわかっていればソフトが変わったとしても応用が効きやすいです。



画像処理


実験で得られた画像データを加工し、進捗ミーティングのレポートとして提出したり、学会発表などで使ったりということがよくあります。


画像の加工はやりすぎると捏造と言われてしまうので注意が必要ですが、わかりやすく見せるために最低限の処理を行うことはよくあります。


画像の加工は画像処理ソフトを使うのですが、Adobe社のIllustoratorやPhotoshopなどがよく使われます。これらの扱い方にも慣れておくと良いでしょう。



数値解析やシミュレーション等、専門ソフトでの処理


ExcelやWord、PowerPointといったMicrosoftのソフトはパソコンを購入すればあらかじめインストールされていることも多く、使ったことがある人も多いでしょう。


しかし、これらのソフトだけではできない処理というのも当然あります。たとえば、複雑な数値解析を行ったり、シミュレーションを実行したり、統計解析処理を行うという場合には専門のソフトを使うことがあります。これらは非常に高価なものもあるため、個人で買うことはおそらくないかもしれません。研究室の共用のパソコンにインストールされていて、そこで作業をすることになると思います。処理を実行してもExcelやWordのように一瞬で処理が終わるというわけではなく、処理が完了するまで数時間から数日ということもあるでしょう。


専門ソフトでも手が届く範囲にあるものであれば、個人で購入することもあるかもしれません。中にはフリーなのにとても使えるものも多く使えます。代表的なものとしてRという統計解析で使用されるソフトはフリーで使うことができ、世界中で使われています。


研究が佳境に入ってくると、これらの専門ソフトを個人のパソコンにインストールして、自宅でも使う場面も出てくるでしょう。




プログラミングやスーパーコンピューターの活用


情報系の研究室やシミュレーションを行う研究室で多いと思いますが、ソフトを使うだけではなく、実際に自分たちの手でプログラムを書いて研究を行っているところもあります。ソフトだけの使用よりもより高度な知識やスキルが求められます。


研究室によってはスーパーコンピューターを活用しているところもあります。薬の開発や工学的な研究を行っているところでは、高速に動作するコンピューターを触ることになるでしょう。



この記事を書いた人

  石川
ITエンジニア。2014年から2024年現在まで10年間、約450台以上のノートパソコンのレビューを実施。プログラマー兼SEとして、システムやアプリの開発に携わっています。保持資格:応用情報技術者、基本情報技術者、英検準1級等 
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