大学生はChatGPTを使ってはダメなのか?注意点と活用法を分かりやすく紹介

更新日:2024年11月3日




最近はChatGPTなどの生成AIが話題になることが多いです。世の中を便利にする画期的な技術である一方、大学ではChatGPTを使って講義レポートを作成する学生が増えていて問題にもなっています。

では、大学生はChatGPTを使ってはいけないのでしょうか?このページでは大学生がChatGPTを使うべきかどうか、使う場合の注意点や活用法などについて紹介しています。


このページで紹介している内容





電卓が初めて登場した時と今の状況は似ている


大学生はChatGPTを使ってはいけないのか?ということを考えるにあたって、知っておいて欲しいことがあります。

それは電卓です。

電卓とChatGPTがどう関係があるの?と思われるかもしれません。

今や当たり前のように使われている電卓ですが、初めてこの世に電卓が登場した時には「こんなもの使ってるとバカになる!」といって大騒ぎされたそうです。どうやら学校の勉強でこれを使えば、算数ができなくなると考えられたようです。まあ、そう言いたくなる気持ちもわからなくもないです。でも現在では、電卓があっても算数ができなくなるとは誰も思っていないのではないでしょうか?



なんだか、ChatGPTを使えば学生は勉強ができなくなると言われている今の状況と似ていますね。

それと同じでChatGPTなどの生成AIを使ってもバカになるということはないでしょう。ただ、電卓の時とは違って扱える範囲がとても広いので、少し注意して使う必要があるとは思います。

たとえていうと、車は交通事故の危険性がありますが、スピードを抑えて周りに気をつけて運転すればとても便利な乗り物になります。また、包丁は刃が鋭くてとても危険ですが、気をつけて使えばおいしい料理を作れるようになります。それと同じように、ChatGPTもいくつかの事柄に注意して使えばとても有用なツールになります。

大学生だから使ってはいけない、ということはありません。しっかり活用して、勉強や就職してからの仕事にしっかり役立てる知識やスキルを身につけていくのが良いと思います。





大学生がChatGPTを使うときに気をつけること


上述したように、ChatGPTなどの生成AIを使う時には気をつけておくことを紹介したいと思います。


講義レポートへのコピペ


大学では講義レポートの提出が課されます。わからないことを調べるのにChatGPTを活用しても良いと思いますが、出てきた答えをコピペするのはやめておきましょう。

他の学生も同じようにコピペをしている可能性が高いです。学生が提出したレポートを読んだ教官が「同じ文言を書いている学生が多いな」と思われてしまえば、ChatGPTの使用がバレてしまい印象はとても悪くなります。評点も悪くなるでしょう。

また、ChatGPTの結果の中に別の著作物の記述が含まれるかもしれません。それをコピペしてしまうと盗用になる場合もあります。

レポートを作成する場合は、ChatGPTで出てきた結果を足掛かりにして、自分の言葉でまとめていくのが大事です。



研究データの漏洩




ChatGPTなどの生成AIは、世界中から入力されたデータがAIの学習に利用されるようになっています。つまり、自分が入力したデータが他の人の回答に使われる可能性があります。

研究室やゼミに所属する大学生や大学院生は、まだどこにも発表されていない研究データを扱うことがありますが、そのデータをChatGPTに入力しないようにしましょう。

論文として発表する予定だった内容が漏洩してしまうことになるかもしれません。




個人情報や機密情報の漏洩


研究データと同じで、個人情報や機密情報はChatGPTに入力しないようにしましょう。情報が漏洩してしまうかもしれません。




出力された結果を鵜呑みにしない


ChatGPTはとても良くできていて、それらしいまとまった結果を返してくれますが、あくまで参考情報としてとどめておくのが良いです。

ChatGPTはインターネットから多くの情報を集めているので、間違った情報を収集していたり、偏った情報を提供したりということも起こります。

間違った情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと間違った方向へ行ってしまうので、得られた結果を自分の手でしっかり検証する癖をつけておいた方が良いでしょう。

繰り返しになりますが、ChatGPTで出てきた結果を足掛かりにして、自分の手で深堀りしていくのが良いです。



大学の方針を確認する




大学によってはChatGPTに対して厳しい評価をしているところもあります。

たとえば日本大学など、レポートやプログラムなどの制作物として提出する場合には、ChatGPTの使用を認めないところもあります。検出ツール等で使用が確認された場合は不正行為に関する処分が行われることもあるので注意が必要です。





楽に単位をとることを目的とするのではなく、知識とスキルを身につけることを目的にしよう


ChatGPTを使うと、レポートなどの大学の課題をとても楽にこなすことができるので、使いたくなる気持ちはとてもよくわかります。

ただ、ChatGPTの結果を丸写しすることで楽に単位をとることはできるかもしれませんが、後には何も残らないのではないかと思います。

単位を取得することを目的にするのではなく、卒業後や就職してからもずっと使える知識やスキルを身につけるということを意識することが大事かなと思います。






大学生が有効にChatGPTを活用する方法


分からないことを分かりやすくしてもらう


大学の授業でわからないことがあったり、教科書や文献を読んでいてわからないことが出てくることがあると思います。自分で調べるにしても、どこから手を付けていいのかわからないこともあるでしょう。

そんなときにChatGPTが使えます。

先生には質問しづらくても、ChatGPTには何回でも気軽に質問することができます。しかも、難しい概念やテーマについてもわかりやすく回答してくれます。

質問文の中に「わかりやすく」というような言葉を入れるのがおすすめです。

わからないことを分かりやすく解説してもらうツールとしてChatGPTが活用できます。得られた結果を利用して、さらにWEBや書籍でより深堀していくと、知識を効率的に身につけていくことができるでしょう。




英語の文章のたたき台を作る




大学のレポートを英語で提出したり、卒論を英語で書いたりするような場合、英作文に苦労すると思います。専門的な表現や単語が必要であることも多く、最初のうちはなかなか手こずると思います。

まずは言いたいことを日本語で記述し、ChatGPTで翻訳してもらうと時間を有効に使うことができます。

ただ、必ずしも正しい表現となるわけではないので、その英文が正しいかどうかを確認しながら進めると良いでしょう。そうすると「こう言いたいときは英語ではこのように表現するのか!」ということを覚えることができます。

ChatGPTで、おおよその英文をたたき台として作ってもらい、それを自分で修正していく形になります。出力された英文をきちんと見直すことで、正確な表現を確認できるだけでなく、他者の文言の盗用を防ぐことにもつながります。

また、英会話の勉強で「日本語ではこう言うけど、英語ではなんていうんだろう?」といった場合でも、ChatGPTで聞いてみるといいです。ずばりの回答が返ってくることもあれば、いくつか候補が返ってくることもあるので、さらにWEBなどで調べてしっくりくる表現を使ってみると良いです。

一つずつ自分の中で使える英語表現が増えていきます。




英語の論文や文献の概要を教えてもらう




4年生や大学院生になると、英語で論文や文献を読む機会が増えます。英語に慣れているといいのですが、最初のうちは難しかったり、読む時間がしっかりとれなかったりします。

そのときに、ChatGPTに「論文のURL」を提示したり、「論文PDFのテキスト」をコピーして、「概要、実験方法、結果、考察をわかりやすく教えて。」というように質問すると、その論文の中身を日本語でまとめてくれます。

日本語だと読むのも速いですし、論文の中身が要約されているので全部を読むべきかどうか判断できるのがとても便利です。




就職活動時の企業調査


就職活動の時は企業の調査をたくさんすると思います。一つずつWEBを見て確認していくのも良いのですが、多くの企業を見ていくのは時間がかかります。

ChatGPTに企業名と事業内容や時価総額、現在の取り組み、強みなどの聞きたい情報を入力すると、企業情報を要約して教えてくれます。

WEBページを一つずつ調べていく手間を省くことができます。もし、より知りたい情報があれば、さらに質問したり実際に企業のホームページを見て調べることでより理解が深まります。







まとめ


ChatGPTを活用すると時間短縮になったり、わからないことがわかるようになったりなど、とても便利になります。ただ、個人情報や機密情報を入力しないようにするなど、注意する事項もいくつかあることをしっかり覚えておくのが大事です。

また、単位を取るための安易な使い方で終わるのではなく、今後も使える知識やスキルを身につけるために活用するというのが大事になってくるでしょう。

大学生はChatGPTを使ってはいけないのではなく、しっかりと正しく使いこなしていくととても生産性があがり、知識やスキルが身についていくのではないかと思います。





この記事を書いた人

  石川
ITエンジニア。2014年から2024年現在まで10年間、約450台以上のノートパソコンのレビューを実施。プログラマー兼SEとして、システムやアプリの開発に携わっています。保持資格:応用情報技術者、基本情報技術者、英検準1級等 
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