Ideapad Pro 5i Gen 9 14型はCPUもGPUも高性能な軽量ノートPC[レビュー]
更新日:2024年9月17日
Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型。機材貸出:レノボジャパン
画像や動画編集をしたり、大学でデザインなどの作品制作やCADなどを行いたいという場合には、CPUだけでなくグラフィックスの性能も高い必要があります。
大学生の場合は自宅で使うだけでなく、大学に持って行くことも多いのでなるべく軽いものを探している人も多いのではないかと思います。
CPUとグラフィックスの性能が高いハイスペックなノートパソコンというのは、大きくて重く持ち運びに不便な製品が多いのですが、Ideapad Pro 5i Gen 9 14型は高性能で、且つ持ち運ぶこともできるくらい軽くできている貴重な製品です。
今回、Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型を実際に使用してみましたので、レビューをご紹介します。
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CPU処理能力もグラフィックス性能も高くて、持ち運びできるノートパソコン
性能
Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型を実際に使ってみて驚いたのは、その性能の高さです。
CPUは一般向けのノートパソコンにもよく搭載される、インテル製の最新世代のCore Ultra Hシリーズなので、「ちょっと良い性能なのかな?」ぐらいの軽い気持ちでCPUの性能を計測してみたのですが、しっかりとハイスペックPCとして使える高い性能となっていました。かなり高性能です。
そして、グラフィックスの性能もすごかったです。Ideapad Pro 5i Gen 9 14型のグラフィックスはCPU内蔵のもので、インテルArcと呼ばれます。NVIDIA GeForceシリーズなどの専用のグラフィックスは搭載されていないのですが、その性能はNVIDIA GeForce GTX 1650をこえ、GeForce GTX 1660Ti Max-Qに迫るくらい非常に高いです。
つまり、CPUの性能もグラフィックスの性能も非常に高く、一般向けの使いやすいノートパソコンとして頭一つ抜けた優秀な性能を持つ製品です。
大学の学業で必要になる講義レポートや資料の作成、インターネットや動画視聴などはもちろんのこと、プログラミングや画像・動画編集など負荷のかかりやすい作業にもしっかり使うことができます。
Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9の使用例。
また、この下でも紹介しているように、ディスプレイのクオリティも非常に良いです。そのため、イラストやデザインなどの作品制作等の作業にも使うことができます。
持ち運びしやすいサイズと軽さ
Ideapad Pro 5i Gen 9 14型のサイズは14インチで、重さは約1.46kg (ホームページに記載された値)となっていて持ち運びがしやすいです。
実際に、Ideapad Pro 5i Gen 9の上にA4ノートを重ねてみたところ、PCの方が少し大きいだけで、A4とあまり変わらない大きさでした。コンパクトにできています。
LenovoのIdeapad Pro 5i Gen 9 14型の上にA4ノートを重ねて置いたところ。
重さも実際に量ってみました。約1.47kgとなっていて1.5kgを切っています。
Ideapad Pro 5i Gen 9 14型の重さを計測。
一応、片手でも持ち上げることができました。
持ち運ぶことができる重さなのですが、1kgを切るようなメチャクチャ軽い製品というわけではないので、人によっては長時間持ち歩いていると疲れるかもしれないということをご承知おきください。
ただ、CPUやグラフィックスの性能が高いノートパソコンの中ではかなり軽いので、持ち運べるハイスペックな製品を探している方にとっては良い選択肢だと思います。
シンプルで使いやすいデザイン
本体カラーはアークティックグレーという色が採用されています。下の写真のように落ち着いた色合いです。ノートパソコンにはよくある色合いなので、使いやすいと思います。
本体はスリムです。天板にはメーカーであるLenovoのロゴが端っこに刻印されているだけで、とてもシンプルになっています。
価格は12万円台から
CPUもグラフィックスも高い性能ということであれば、お値段は高そうと思うかもしれませんが、12万円台から購入可能です。
一般向けのノートパソコンではこのくらいの価格帯になっている製品が多いので、性能の高さを考えるとかなりリーズナブルに思います。
OLEDディスプレイを搭載していて映りがとても良い
Ideapad Pro 5i Gen 9 14型のディスプレイはとても品質が良いです。OLEDディスプレイを搭載していて表示できる色の数が多く、綺麗な画面を楽しむことができます。
映り方
表示できる色の量が多いので、一般的なIPS液晶よりも深い色合いに感じられました。とても映りが良いです。
正面、上、横からなど、どの角度から見ても綺麗に映ります。見やすいディスプレイです。
色の表示
表示できる色の範囲は以下のようになっています。今回のレビューで使用した製品のディスプレイは、sRGBカバー率、DCI-P3カバー率ともに100%でした。表現できる色の量が多く、とても広い色域です。
ディスプレイsRGBカバー率が100%のものと、DCI-P3カバー率100%のもの2種類用意されています。通常はsRGBカバー率100%のもので大丈夫ですが、より広い色域が必要な場合にはDCI-P3カバー率100%のものを選択してみてください。
sRGBカバー率 | 100% |
---|---|
DCI-P3カバー率 | 100% |
Adobe RGBカバー率 | 97.4% |
解像度など
解像度は2.8K (2880×1800)となっていて、一般的なフルHD (1920×1080)やWUXGA (1920×1200)よりも高い解像度です。
キーボード
キーボードは下の写真のようになっています。特に気になる点はありませんでした。問題なく使えると思います。
キーボードの左半分です。
同じく右半分です。キー同士がくっついている箇所がありますが、キーの大きさが十分にあるので、ブラインドタッチでも問題なく入力できました。
タッチパッドも問題ありません。
インターネットとOfficeソフトについて
インターネット接続
インターネットへの接続はWi-Fi (無線LAN)を使って行います。スマホで使っている人も多いと思うので、特に問題なく使えると思います。
最新の通信規格であるWi-Fi 6E (11ax)に対応しています。
Officeソフト
Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型には、Word、Excel、PowerPointが含まれたMicrosoft Office Home and Businessを選択できるモデルがラインナップされています。
Officeソフトを単体で購入するよりも安くなるので、必要であればセットで購入してみてください。
Officeソフトが必要なければ選択しなくても大丈夫ですし、Officeソフトがセットになっていないモデルもラインナップされています。
ポート類が充実していて周辺機器が接続しやすい
USBポートなどのインターフェースは良く使われるものが搭載されています。周辺機器との接続に困ることはあまりないのではないかと思います。
プレゼンもマルチモニターもOK
HDMIポートとUSB Type-Cポートが搭載されていて、大学でプレゼンを行ったり、自宅でモニターをつないで2画面で作業したりすることができます。
HDMIケーブルとHDMIポート。
HDMIケーブルでPCとモニターをつないで、PCと同じ画面を映してみました。
PCとモニターで別々の画面を表示することもできます。それぞれの画面で違う作業を行うことができます。
USB Type-Cポートも画面出力に対応しています。HDMIとUSB Type-Cを使えば、最大3画面(PCを含む)使うことができます。
SDカードスロット
SDカードスロットはフルサイズのものに対応しています。最近はフルサイズSDカードに対応したノートPCが減ってきているのでうれしいですね。
ミラーレスデジタルカメラやビデオカメラなどで撮影した写真や動画をサッと取り込むことができます。
USBポート
Type-A、Type-Cポートがそれぞれ2つずつ搭載されているので、複数のUSB機器を同時に接続することが可能です。
また、USB Type-CポートにPower Delivery対応のモバイルバッテリーや充電器を接続することで、PCの充電が可能です。
ただ、PCの電源がONの状態で充電するには60W以上の出力が必要です。PCの電源がOFFの場合は45W以上で大丈夫でした。
PC 電源ON | PC 電源OFF | |
---|---|---|
モバイルバッテリー (20W) |
× | × |
充電器 (45W) |
× | 〇 |
充電器 (60W) |
〇※ | 〇 |
※PC付属のACアダプターを使用してください、という表示が出る。
カメラとマイク、スピーカー
カメラとマイク、スピーカーが搭載されているので、ZoomやTeamsなどを使ってビデオ通話を行うことができます。就職活動でWEB面接を受けたりするのも問題ありません。
また、大学でのオンライン授業であったり、民間の英語学習サービスであるオンライン英会話を受講したりするのにもしっかり対応できます。
顔認証と存在検知でログインができるカメラ
カメラにはプライバシーシャッターが搭載されています。カメラレンズにカバーをかけることができるので、カメラを使わないときは閉じておくと安心です。
プライバシーシャッター。見た目でカメラの状態がわかる。
また、このカメラを使うことで顔認証を行うこともできます。
さらに、存在検知機能(ゼロ・タッチ・ログイン、ゼロ・タッチ・ロックという機能)を利用することができます。これは、パソコンの前に座って作業していて離席したのを自動で検知しパソコンをロックし、席に戻ってきたら顔認証で自動的にロックを解除してパソコンを使えるようにする機能です。
大学などで使っていると、トイレ休憩などで席を離れることが多くなります。離席時にパソコンをロックするのを忘れると、その隙にパソコンを勝手に操作される心配があります。
しかし、この存在検知機能を使えば、万が一パソコンをロックするのを忘れても、自動的にパソコンをロックしてくれるので安心です。
スピーカー
スピーカーは本体底面に2つ搭載されています。Dolby製のサウンドシステムが搭載されています。
スピーカーを拡大したところ。
音質はややライトかなと思いました。ただ、自分好みに音質を細かく調整できる機能が搭載されているので、これを使うのも良いかなと思います。
静かに使える?
Ideapad Pro 5i Gen 9は静かに使えるかどうかを検証してみました。
この製品には電源モードを調整する機能が搭載されていて、モードを変えることでパソコンの動作音の大きさが変わります。今回、標準のモードである適応パワーモードと静かに使えるバッテリー節約機能を使って、動作音の大きさを測定しました。
いずれのモードでも動画を見るなど、軽めの作業をするときは静かでした。
CPUに大きな負荷がかかる作業をすると動作音は大きくなります。標準設定の適応パワーモードでは、一般的なノートパソコンと同程度の大きさでした。
バッテリー節約機能モードにすると、動作音はとても抑えられました。
通常は適応パワーモードで問題なく使えると思います。もし、より静かに使いたいということであれば、バッテリー節約機能モードに設定すれば大丈夫です。
測定項目 | 適応パワーモード (標準) |
バッテリー節約機能 (静音) |
---|---|---|
PCの電源OFF時の室内の音量 (できるだけ無音の状態) |
28~29db | |
アイドル状態 (PCを起動し何もしていないとき) |
28~29db | |
YouTube動画視聴時 | 28~29db | |
インターネットをしているとき (タブを10個開いた状態) |
28~30db | |
CPU 100%使用時 (CINEBENCH R23実行時) |
38~40db | 30~31db |
Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型の仕様と性能
Lenovo Ideapad Slim 170 14型 (AMD)の仕様は以下の表のようになっています。
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Core Ultra 5 125H Core Ultra 7 155H Core Ultra 9 185H |
メモリー | 16GB / 32GB |
ストレージ | SSD 512GB / 1TB |
無線LAN | ○ |
有線LAN | - |
光学ドライブ | - |
SDカードスロット | 〇 (フルサイズ) |
HDMI | 〇 |
USBポート | USB3.2 × 2 USB Type-C × 2 |
ディスプレイ | OLED 2.8K (2880x1800) 非光沢 / 光沢 |
サイズ | 14インチ |
重さ | 約1.48kg |
バッテリー持続時間 | 約23.4時間 (JEITA2.0) |
今回のレビューで使用したモデルは以下の仕様になっています(メーカー貸出機)。
OS:Windows 11 Home
CPU: Core Ultra 7 155H
メモリ: 32GB
ストレージ: SSD 1TB
CPU: Core Ultra 7 155H
メモリ: 32GB
ストレージ: SSD 1TB
OSはWindows 11 Home、またはWindows 11 Proを選択できます。通常はWindows 11 Homeでまったく問題ありません。
CPUはCore Ultra 5 125H / Core Ultra 7 155H / Core Ultra 9 185Hから選ぶことができます。性能はCore Ultra 5 < Core Ultra 7 < Core Ultra 9となりますが、いずれもAIエンジンを搭載していて非常に性能が良いです。
メモリは16GBまたは32GB、ストレージはSSDで512GBまたは1TBです。
文系も理系もCore Ultra 5 125H、16GBメモリを選択すればで非常に快適に使用することができます。ただ、CPUをより良いものにすればCPUの処理性能やグラフィックスの性能もアップするので、負荷のかかる作業を予定している方はCore Ultra 7などを検討してみてください。
以下はCPUとストレージ、グラフィックスの性能を専用のソフトウェアを用いて測定したものです。専門的な内容になりますので、読み飛ばしてもらって構いません。
CPUの性能
まず、CPUの性能をCINEBENCH R23とR20という2つのソフトを用いて測定しました。スコアはそれぞれ16536 pts、6161 ptsとなりました。ハイスペックで非常に高い性能です。負荷のかかる作業にもしっかり使うことができます。
ストレージの性能
ストレージのアクセス速度を測定しました。高速な読み書きが可能です。問題なく使うことができます。
グラフィックスの性能
CPUに内蔵のグラフィックスとは思えないほど高い性能です。上述した通り、GeForce GTX 1660Ti Max-Qに迫るくらい非常に高いです。
ベンチマーク | 評価対象 | スコア |
---|---|---|
Fire Strike | DirectX 11 | 9060 |
Night Raid | DirectX 12 | 31066 |
外観の確認
それでは、Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型の外観を確認してみましょう。
まずは天板です。Lenovoのロゴが右下にあるだけのシンプルなデザインです。
ハイスペックな性能を持つPCですが、とてもスリムな作りです。
底面です。
ACアダプターです。Ideapad Pro 5i Gen 9 14型は一般向けの製品ですが、ややACアダプターは大きめです。ACアダプターは90Wの出力になっています。
手のひらの3/4程の大きさです。
本体左側面です。
本体右側面です。
本体背面部です。
本体の手前部分です。
まとめ
最後に、Lenovo Ideapad Pro 5i Gen 9 14型についてまとめたいと思います。
良いところ
・CPUの処理性能もグラフィックス性能も非常に高い
・ハイスペックなのに持ち運べるサイズと軽さ
・OLEDディスプレイを搭載し映りがとても良い
・ポート類が充実
・セキュリティ機能が充実(顔認証、存在検知機能、プライバシーシャッター)
・ハイスペックなのにリーズナブルない価格帯
注意するところ
・ACアダプターは少し大きめ
・指紋認証機能はない
これまでCPUもグラフィックスもハイスペックなノートPCというと、大きくて重めの製品が多かったのですが、Ideapad Pro 5i Gen 9 14型はA4サイズで1.48kgとなっていて、とても持ち運びがしやすい製品です。
注意点としては、ACアダプターは一般的なノートパソコンのものと比べるとやや大きめなので、ACアダプターも持ち運ぶ場合にはその分少し重たくなります。Power Delivery対応のモバイルバッテリーや他の充電器で代用すれば荷物を減らすことができますので、うまく使い分けたいところです。
それでも、CPU、グラフィックスともに高性能な製品でここまで軽いものはなかなか見当たらないので、大学など自宅外に持っていくことが多い場合にはとても良い選択肢になると思います。是非検討してみてください。
詳細はこちら → IdeaPad Pro 5i Gen 9 14型(直販サイト)
この記事を書いた人
石川 |
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