爽やかに高速な動作Ideapad Slim 5x Gen 9レビュー
更新日:2025年1月23日

Lenovo Ideapad Slim 5x Gen 9。機材貸出:レノボジャパン
Lenovo Ideapad Slim 5x Gen 9はCPUにSnapdragonを搭載したノートパソコンで、従来のノートパソコンよりも高速に実行できるだけでなく、AIの処理性能も高いです。
新しいCPUが搭載されていてこれまでの製品と中身が少し変わるので、事前に使用用途(使うソフトウェア)を確認しておくのが安心です。詳しくは下で解説していますが、それが問題なければ、サクサク高速に動いて爽やかに使えるとても良いノートパソコンです。
今回、Lenovo Ideapad Slim 5x Gen 9を実際に使用してみましたので、レビューをご紹介します。
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日常用途に快適に使用でき、AIの性能をしっかり引き出すことができる
Ideapad Slim 5x Gen 9は、パソコンの心臓部にあたるCPUにSnapdragon X Plusを搭載していて、AIの性能をしっかり引き出すことができるノートパソコンです。
通常用途に使う性能もとても良く、WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトを使ったレポートや資料作成、インターネットやメール、就職活動、プレゼンなど、学業からプライベートまで様々な用途に活用することが可能です。

CPUはSnapdragon
少し技術的な話をすると、これまでのノートパソコンではインテルやAMD製のCPUを搭載している製品がほとんどでしたが、この製品ではQualcomm(クアルコム)という会社のSnapdragon X PlusというCPUが搭載されています。
Qualcomm社のSnapdragonというCPUは、スマホやタブレットに搭載されていることが多く広く普及しています。もちろん、Snapdragon X PlusはPC向けのCPUとして、スマホやタブレットよりも高い性能を持っているのでご安心ください。

CPUがSnapdragonに変わることで一番大きく変わるのが、ソフトウェアの動作です。
まず、Snapdragonは他のCPUよりも高速に実行することが可能で、しかもAIの処理が得意です。Snapdragonに対応しているソフト(ARM64に対応しているソフト)を使う場合には、サクサクととても快適に実行することができます。
一方、これまでインテルやAMD製のCPUの上で動作していたソフトウェアでSnapdragonに対応していないソフト(ARM64に対応していないソフト)は、エミュレーターという特別な環境の上で実行されるようになります。多くのソフトウェアは問題なく動作するのですが、ソフトウェアによっては正常に動作しない可能性が出てきます。この点にご注意ください。
WordやExcel、PowerPointなどのOfficeソフトは、ARM64に正式に対応しているので問題なく使うことができます。TeamsやZoomなどのビデオ通話ソフトも正式に対応しています。
また、インターネットをするためのブラウザ(EdgeやChrome、FireFoxなど)も問題ありません。
Adobeソフトを使っている方も多いと思います。多くの製品が対応しているようですが、いくつかのものは現在対応中とのことです。現在未対応でも、すぐに正式対応になると思われます。
参考記事:Adobeアプリの動作について (公式サイト)
プログラミングについては、まだ様子を見た方が良いかなと思います。ライブラリによっては対応していないものもあるかと思うので、特にプログラミング初心者の方や未経験者でこれからやってみたいなと思う方は見送った方が良いと思います。
使用用途がOfficeソフトの使用(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)やインターネット、メール、ビデオ通話、プレゼン、Adobeソフトを使った作品制作などであれば、特に問題なく使うことができるでしょう。Snapdragonに正式に対応しているので、性能をしっかり引き出して快適に使用することができるでしょう。
もし、これら以外のソフトを使う予定の場合には、事前に使えるかどうかを確認しておくのが良いです。
大学生の場合、どちらかというと文系の学生であれば、上記のような使用用途で使う人が多いので、問題なく使えることが多いのではないかと思います。
理系の学生の場合は、専門ソフトをインストールして使ったり、プログラミングを行ったりするときに、うまく動かないものが出てくる可能性があります。そのため、理系の学生はインテルCPUやAMDのCPUを搭載したノートパソコンを選択するのが確実だと思います。
参考記事:Lenovoのノートパソコン
使いやすいサイズと軽さ
Ideapad Slim 5x Gen 9のサイズは14インチです。パソコンの上にA4ノートを置いて大きさを比べてみたところ、下の写真のようになりました。縦横ともに、A4よりも1cm程度大きいくらいで、すっきりした大きさです。

重さはほぼ1.5kgでした。1.0kg未満のノートパソコンと比べると、非常に軽いというわけではありませんが、十分に持ち運べる軽さです。

ただ、人によっては長時間持ち歩くと疲れるかもしれないので、大学の近くに住んでいる下宿生など、比較的持ち歩く時間が短い人が使いやすい製品です。
もし、長時間持ち歩くことを考えている場合には、持ち運ぶカバンの形態や移動方法(車や電車など)を検討すると良いでしょう。個人的には、肩から背負えるリュックサックを使うと疲れにくくておすすめです。
キーボード
キーボードはスタンダードな日本語配列となっています。使いにくいところはなく、快適に作業できると思います。

キーの下側が緩やかな曲線になっていてソフトな印象を受けます。半角全角キーやCtrlキーなど、小指で操作することが多いキーが若干大きめにできていて操作がしやすいです。

EnterキーやBackspaceキーなど、左隣のキーとくっついていますが、個々のキーの大きさがしっかり確保されているので特に問題なく使うことができます。実際、ブラインドタッチを試してみましたが、打ち間違えることはありませんでした。

キー同士の間隔や、キーを押したときの深さも特に問題ありません。標準的な仕様で入力しやすいです。

タッチパッドです。

ディスプレイ
映りが良くて見やすいディスプレイです。色味も自然で、綺麗に表示されました。文字を読むだけでなく、画像や動画を表示するのも問題ありません。

IPS液晶が搭載されているため、正面だけでなく、見る角度を変えても綺麗に表示されました。視野角は広いです。

ディスプレイ表面は非光沢となっているので、作業している自分自身の姿や室内の様子、蛍光灯などが映りこむことがなく、とても見やすい画面です。

少し専門的な話になりますが、色域(画面に表示できる色の範囲)はsRGBカバー率100%となっています。専用のソフトを実行することができなかったので、正確な値はわからないのですが、100%に近い数字が出ているものと思われます。
インターネットとOfficeソフト
インターネットへの接続
インターネットへはWi-Fiを用いて接続します。LANケーブルを挿すための有線LANポートは搭載されていません。
Wi-FiはWi-Fi 7に対応しています。もちろん、従来までの規格であるWi-Fi 6E (11ax)やWi-Fi 5 (11ac)にも対応していますので、無線LANルーターを買い替える必要はなく、そのまま継続して使うことが可能です。
Officeソフト
OfficeソフトはMicrosoft Office Home and Business 2024、もしくは2021から選ぶことができます。
両者ともに、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteが含まれていて、レポートや資料作成、プレゼン、メールなどにすぐに活用することができます。
Office 2021はOffice 2024よりも安くなりますが、2026年10月でサポートが切れることにご注意ください。Office 2024のサポートは2029年10月までとなります。
インターフェースとカメラ、マイク、スピーカーなど
インターフェース(ポート類)
インターフェースはバランスよく搭載されていて使いやすい構成です。USBポートはType-Aが2つ、Type-Cが2つとなっていて、USB機器を同時に接続するのも問題ありません。


モニターへの出力を確認してみました。HDMIポートを使えばモニターと接続するだけですぐにモニターに表示されます。
PCと同じ画面を表示することができました。プレゼンにもしっかり対応することができます。

PCの画面を拡張し、PCとモニターで別々の作業を行うこともできます。

また、USB Type-Cポートもディスプレイ出力ができるので、HDMIとUSB Type-Cケーブルを使うことで、下の写真のように3画面で作業することも可能です。

カメラとマイク
カメラとマイクはディスプレイの上部にあります。顔の正面に来るので、顔の正面をとらえることができ、声もしっかり拾ってくれます。カメラの品質やマイクの感度も特に問題はないと思います。
就職活動の時に、ZoomやTeamsなどのビデオ通話ソフトやインターネットを使うためのブラウザを使ってWEB面接やオンライン説明会を受けることも問題なく対応することが可能です。

スピーカー
スピーカーはキーボードに両サイドに左右1つずつ搭載されています。音質は良かったです。動画を見たり、ビデオ通話ソフトを使って会話を聞くことも特に問題ありません。

キーボードの端にあるスピーカー。左右に1つずつ、合計2つ搭載されている。
セキュリティ
指紋認証
キーボードのところに指紋センサーが搭載されています。他人の指ではログインできなくなるので、セキュリティを高めることができます。

顔認証
顔認証機能は搭載されていません。
プライバシーシャッター
カメラにはプライバシーシャッターが搭載されています。カメラレンズにカバーをかけることができます。気がつかない間にカメラに映ってしまっていた!、ということを防ぐことができます。
カメラを使わないときはカバーをかけておくと安心です。カメラの状態は見た目で判断しやすいのでわかりやすいです。
[撮影可能な状態]

[撮影できない状態]

静かに使える?
パソコンを使っているときの動作音の大きさを計測してみました。
インターネットをしたり動画を見たりするなど、軽めの作業をしているときはあまり動作音がせず、静かに使うことができました。
CPUに大きな負荷がかかると動作音は大きくなりますが、他の一般的なノートパソコンと比べると動作音は抑えめで、比較的静かに使うことができました。
問題なく使うことができるでしょう。
測定項目 | 動作音の大きさ |
---|---|
PCの電源OFF時の室内の音量 (できるだけ無音の状態) |
28~29db |
アイドル状態 (PCを起動し何もしていないとき) |
28~29db |
YouTube動画閲覧時 | 28~29db |
インターネットをしているとき (タブを10個開いた状態) |
28~29db |
CPU 100%使用時 | 34~37db |
Ideapad Slim 5x Gen 9の性能と仕様
レノボIdeapad Slim 5x Gen 9の仕様は以下の表のようになっています。
OS | Windows 11 Home / Pro |
---|---|
CPU | Snapdragon X Plus X1P-42-100 |
メモリー | 16GB 32GB |
ストレージ | SSD 512GB / 1TB |
グラフィックス | Qualcomm Adreno X1-45 (内蔵グラフィックス) |
無線LAN | ○ |
有線LAN | - |
SDカードスロット | 〇 ( micro SDカードスロット ) |
HDMI | 〇 |
USBポート | USB3.2 × 2 USB Type-C × 2 |
ディスプレイ | IPS液晶 / OLED(有機EL) WUXGA(1920×1200) 非光沢 |
サイズ | 14インチ |
重さ | 約1.48kg |
今回のレビューで使用したモデルは以下の仕様になっています。メーカーから実機をお借りしました。
OS: Windows 11 Home
CPU: Snapdragon X Plus X1P-42-100
メモリ: 16GB(8GB×2)
ストレージ: SSD 512GB
ディスプレイ:IPS液晶 WUXGA(1920×1200)
CPU: Snapdragon X Plus X1P-42-100
メモリ: 16GB(8GB×2)
ストレージ: SSD 512GB
ディスプレイ:IPS液晶 WUXGA(1920×1200)
OSはWindows 11 HomeまたはProから選ぶことができます。通常はWindows 11 Homeでまったく問題ありません。
CPUはSnapdragon X Plusが搭載され、メモリは16GBまたは32GBから選択できます。
ディスプレイはIPS液晶を搭載したモデルが多くラインナップされていますが、構成のカスタマイズが可能なモデルでは、OLED (有機EL)ディスプレイも選択できます。より映りの良いディスプレイが良ければ、OLEDディスプレイを選択してみるのも良いと思います。
Officeソフトはカスタマイズ可能なモデルでのみ選択することができます。
以下はCPUとストレージ、グラフィックスの性能を専用のソフトウェアを用いて測定したものです。専門的な内容になりますので、読み飛ばしてもらって構いません。
CPUのベンチマーク
CPUの性能をCINEBENCH 2024とR23という2つのソフトを用いて測定しました。スコアはそれぞれ744pts、8135ptsとなりました。


CINEBENCH 2024はSnapdragonに対応していて、Snapdragonの性能をダイレクトに測定できます。744ptsというスコアはインテルやAMDのCPUを搭載した他の一般的なノートパソコンと比較しても高く、かなり良い性能です。
Snapdragonに対応しているソフトウェアを使うと高速に実行でき、とても快適に作業ができることになります。
一方で、CINEBENCH R23はエミュレーターの上で実行されることになります。Snapdragonに対応していないソフトウェアを実行すると、エミュレーターが動作する分、本来の性能を十分に発揮し切れません。
実際、CINEBENCH R23の実行結果である8135ptsというスコアは良いのですが、他の一般的なノートパソコンと比べて同程度のスコアになります。ただ、シングルコアのスコアは1113ptsとなって低めのスコアです。
それでも、普通に使う分には問題なく作業できる結果ですので、少しでも性能が良いほうがいい!というのでなければ特に気にしなくても大丈夫です。
ストレージの読み書きの速度
SSDの読み書きの速度を計測しました。とても速いスピードです。アプリの起動やデータの読み出し、保存などが速くなるので、快適に使うことができるでしょう。

グラフィックスのベンチマーク
グラフィックスの性能は問題ありません。一般的な用途に問題なく使える性能です。


ベンチマーク | スコア |
---|---|
Fire Strike (対象:Direct X11) |
3612 |
Night Raid (対象:Direct X12) |
16259 |
外観の確認
それでは、Lenovo Ideapad Slim 5x Gen 9の外観を確認してみましょう。
本体カラーはシルバーとなっていて、爽やかなデザインです。天板にはLenovoのロゴが隅っこにあるだけでとてもシンプルです。

ディスプレイの上部にはカメラとマイクが配置されていて、少しだけ出っ張っています。パソコンが閉じた状態の時にこの出っ張りに指をかけると、パソコンを開きやすくなるというメリットがあります。デザイン的にもうまく溶け込んでいる感じがします。


本体はスリムにできています。

キーのカラー(グレー)とパームレストのカラー(シルバー)が綺麗に調和しているように思います。



底面です。

ACアダプターとケーブルです。

とてもコンパクトで軽いです。

左側面です。

右側面です。

背面側です。

手前側です。

まとめ
最後に、Lenovo Ideapad Slim 5x Gen 9についてまとめたいと思います。
良いところ
・CPUの性能が良く、AIの処理も高速に行える
・使いやすいサイズと軽さ
・ポート類がバランスよく搭載されていて、周辺機器との接続も問題ない
・見やすいディスプレイ
注意するところ
・CPUがSnapdragonなので、使いたいソフトが動作するかどうか事前に確認しておくと安心
・顔認証は非搭載
Ideapad Slim 5x Gen 9はCPUにSnapdragonを搭載していて、とても高速な動作が可能なノートパソコンです。特にAIの性能が良いです。
Snapdragonに対応しているソフトウェアは全然大丈夫なのですが、まだ非対応のソフトウェアはエミュレーター上で動きます。問題ないことが多いのですが、細かなところが動かない可能性もあるため、念のため事前に確認しておくと安心です。
逆に、使用用途がOfficeソフトの使用(Word、Excel、PowerPoint、Outlookなど)やインターネット、メール、ビデオ通話、プレゼン、Adobeソフトを使った作品制作などであれば、特に問題なく使うことができるでしょう。
ディスプレイは見やすくデザインもさわやか、ほぼA4サイズで使いやすい製品ですので、うまくはまればとても良い製品です。
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この記事を書いた人
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石川 |
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