教育学部でのノートパソコン使用場面や必要スペック


大学の教育学部に進学してノートパソコンの購入を考える場合、どんなスペックのものを選べばよいか迷うことはないでしょうか?

教育学部は文系なので、あまりパソコンを活用するイメージはあまりないかもしれません。しかし、教員養成系の場合や教育実習に参加する場合には、学習指導案の作成にノートパソコンを活用するなど、パソコンをかなり使用します。

また、教育分野では集めたデータの分析に統計を使用することも多く、パソコンの力を必要とします。

このように実際に教育学部で学んでいく過程で、どのようにパソコンを使うかを知っておくと、どのようなスペックのノートPCが必要かが見えてきます。

このページでは教育学部でパソコンを使う事例と必要となるスペック、そしておすすめのノートパソコンをご紹介しています。


[ このページで紹介している内容 ]





学習指導案の作成


教員養成系の教育学部に進むと、国語や算数・数学、理科、社会など、各教科についての授業の方法を学んでいきます。大学で多くの講義を聞き、学校現場で求められる課題を理解していきます。そして、教材研究や模擬授業などを通して効果的な授業ができるように実践していきます。





授業を行うにあたって大事なのが、学習指導案の作成です。授業の設計図とも言われていて、具体的な授業内容や目標を設定し、授業の質を高めたり方向性を確かなものにするために必要になります。

教育学部ではこの学習指導案を作成する方法を学び、そして自分自身でも作成して模擬授業や教育実習に臨むことになります。

学習指導案を作成するにあたって、パソコンを活用します。Wordソフトなどで授業の内容や目的、必要とされる技能や知識、到達目標、そして実施期間内における指導計画を作成します。

作成した後に大学で発表したり、同級生の発表を聞いて再考するなど何回か修正を加えることもあります。






教育実習


教育実習では授業の見学を行ったり、実際に教壇に立って授業を行うだけではなく、学習指導案を作成することも多いです。その時にノートパソコンがあると非常に便利です。

実際にノートパソコンを学校に持って行って、空き時間に学習指導案を作成することができます。

学校に用意されているパソコンを使わせてもらえる場合もありますが、学校によっては利用できない場合もあるので、手持ちのノートパソコンがあると良いです。

家に帰ってから作成していると時間が足りなくなる場合もありますし、その場で指導教諭に添削してもらえばすぐに直せるという利点があります。使うソフトはWordやExcel、PowerPointなどが多いです。









心理や教育での統計を用いた分析


教育の分野では、データを集めて分析することがあります。客観的にデータを分析し、論理的に説明するためには科学的な手法を用いる必要があります。そのために良く使われるのが統計です。

心理学部でのノートパソコン使用場面や必要スペックの記事でも紹介しているように、教育心理学などの分野では特によく用いられています。

基本的なデータ解析法と統計ソフトの使用法を習得するための講義があります。また、教育心理学の実験が用意されていることも多く、実験で得られたデータを自分で解析する必要があります。



良く用いられる統計ソフトは、SPSSやSAS、R、Excelです。SPSSやSASは有料ソフトなので、4年生や大学院で使う機会があるかもしれません。3年生までは、RやExcelを使うことが多いでしょう。Excelで大丈夫なことも多いのですが、Rを使う方がより高度な解析をすることができます。Rは無料で利用することができ、世界中で多くの人が使用しています。研究者の間でRを使っている人はとても多く、実際に大学ではこのRを使って授業を進めて行く講義も多いです。

統計ソフトの使い方の講義は、大学に設置されたパソコンを使って行われることが多いですが、レポート課題をこなすためには自宅のPCを使う必要があります。








理科(物理、化学、生物、地学など)や社会に関する実験や実習でのレポート作成


教員養成系や科学教育、技術・情報などの専門家を育成することを目指している教育学部の場合は、理数系の科目に関する知識を深めるための実験や実習が用意されています。

特に理科(物理、化学、生物、地学など)では、物理や化学、生物の実験、鉱物や地層などを観察するフィールドワークなどがあります。また、社会の科目でも、大学の外に出て現場を見てデータを収集するという実習が組まれていることもあります。実験や実習の後は、毎回レポートをまとめて提出する必要があります。

得られたデータを分析したり、実験や実習の目的や方法、得られた結果を文章としてまとめていきます。データ分析はExcel、文章の作成はWordで作成することが多いです。






ICTスキル向上のための講義や実習


現在はコンピューターを用いて業務を行うことが当たり前になっていて、パソコンを使えることがとても重要です。多くの大学ではパソコンのスキルを向上させるためのICT教育に力を入れていて、講義や演習などが用意されています。



インターネットの使い方やメールの送受信の方法、WordやExcel、PowerPointなどの使い方といった基本的なところから、セキュリティやアルゴリズムを学んだり、実際にプログラミングを行う演習などもあります。

大学で用意されたコンピューターを使うことが多いですが、課題が出される場合があるので、自分のパソコンを使う必要があります。






学校教育におけるプログラミング必修化に関連する学習


小学校・中学校、高等学校では2020年度から順次、プログラミング教育が必修化されます。

東京学芸大学など、小学校のプログラミング必修化に対応した専門の講座を設置する動きがあります。

ただ、このような専門的なコースを用意していないところも多いです。プログラミングは本を読んで実践するのは最初はなかなか難しいところもあるので、教員を目指す場合は、大学で用意されている演習を利用するのが良いです。実際にツールを使って操作したり、プログラミング言語を使って簡単なプログラムを実行するというような方法を通して、プログラミングに必要となる考え方を身につけ、プログラミングに慣れることができます。






卒業論文の作成


4年生になると卒業論文を作成し提出します。研究テーマを決めて、多くの文献を読み込んだりデータを集めたりして、内容をまとめていきます。Wordで本文を書き、Excelで計算を行ったりグラフを作成したりします。

大学や所属するコースによっては、PowerPointでプレゼン資料を作成し、最終発表を行うこともあります。







講義資料の受け取り


大学で受講する講義では、教科書があらかじめ指定されていることが多いですが、必要に応じて先生が配布する資料をもとに授業が進んで行くこともあります。

紙の資料として事前に配布されることもありますが、先生がネット上に資料をアップしたものを受講生がダウンロードして利用することも多いです。多くの場合は、WordやExcel、PowerPoint、PDFとして配布されます。事前にダウンロードして読み進めるためには、これらのファイルを開くことができるパソコンが必要です。







レポートの作成と提出


教育学部の授業では、教育心理学や教育法、教育文化、教育社会史など、多くの専門を学んでいきます。

これらの授業を受けた後には、レポートを提出することが多いです。

レポートは手書きの場合もありますが、パソコンを使うことが非常に多いです。講義の内容や感想を数ページ程度でまとめるだけのものもあれば、文献を読んで集めたデータをグラフや図にしてまとめたりすることもあります。

本文を書くのはMicrosoft OfficeソフトのWord、表をやグラフを作成するのはExcel、図やイラストを作成するのはフリーの画像ソフトを使うなど、いくつかのソフトを同時に使いながらレポートを仕上げていきます。

手書きで描く場合には、いったん紙に描いたものをパソコンに取り込んでデジタル化することもあります。

レポートは作成したものを印刷して提出することもありますし、大学のポータルサイトからパソコンを使ってオンラインで提出することもあります。






講義の履修登録や成績の確認


教養科目や専門科目などの履修登録は、パソコンを使ってオンラインで行う大学がとても多いです。


これを忘れてしまうと単位が取れないばかりでなく、指定された期間内に登録を行わないと履修の意思がないものとみなされて最悪の場合除籍となることもあります。


大学の講義の履修登録のイメージ。必修科目や選択科目等を選択し、履修申請を行う。


そのため、必ず履修登録を行うようにしましょう。履修登録の際は、個人情報を登録することが多いので、共用のパソコンを使うと個人情報が漏れてしまう心配もあります。そのため、履修登録は個人所有のパソコンで行うのが安心です。


また、各講義や実験・実習の成績も、オンラインで確認できるようになっていることが多いです。単位を取り忘れてしまって進級できないという状況にならないよう、定期的に確認しておきたいです。






教育学部のノートパソコンに必要なスペック


教育学部の場合、上で説明したようにパソコンを使う作業が多くあります。軽めの作業が中心になるかもしれませんが、統計を使った分析を行う必要が出てくるかもしれないので、余裕を持ったスペックにしておくとより安心です。

また、教育実習に参加する場合には、ノートパソコンを学校に持ち込むことも考えておくと良いです。そのためには、なるべく軽いものを選んでおくと持ち運びが楽にできます。大学ではパソコンを使う必要がないという場合など、あまりPCを持ち歩くことがないようであれば、15.6インチノートPCなどの少し大きめのパソコンを使うということでも大丈夫です。

このため、教育学部でノートパソコンを使用する場合は、以下のようなスペックが好ましいです。


OS: Windows 10 Home、Mac OS X

CPU: Core i3またはRyzen 3以上 (推奨:Core i5またはRyzen 5以上)

メモリ:4GB以上(推奨:8GB以上)

ストレージ:SSD 128GB以上

サイズ:13インチ~15.6インチ


OSはWindowsまたはMacで基本的にはどちらでも問題ないことが多いです。

専門的なソフトを使う頻度はそれほど高くありません。そのため、Macでも十分に使うことが可能です。ただ、Windowsパソコンのほうが対応しているソフトウェアも多いですし、利用しているユーザー数も多いです。Windowsでしか使えないソフトを使いたい場合が出てくると困りますので、よくわからない場合はWindowsを選択しておくのが無難です。

ノートパソコンに搭載されるCPUは、それほど高い性能でなくても大丈夫です。CPUにはインテル製のCoreシリーズと、AMD製のRyzenシリーズがありますが、Core i3以上またはRyzen 3以上を選択すれば大丈夫です。Officeソフト(WordやExcel、PowerPointなど)を使った作業やインターネット、メールなどの軽めの作業であれば、十分に快適に動作します。

余裕があれば、Core i5以上(Core i5またはCore i7)、またはRyzen 5(Ryzen 5またはRyzen 7)を選択してみてください。これらのCPUはCore i3よりも性能が高く、幅広い用途に対応できます。ノートパソコンは高い買い物ですので、長く快適に使い続けたい場合は、Core i5やRyzen 5を選択するとコストパフォーマンスが良いです。Core i5よりもCore i7の方が性能は高いですが、Core i5でも十分に性能が高いので、まずはこれを基準にすれば大丈夫でしょう。


ライトな処理を行うだけであればメモリは4GBでも良いです。ただ、専門の統計ソフトを使うことも考えられるので、メモリは8GBあると安心です。また、8GBあると長く快適に使い続けることができます。


サイズは14インチ以下のものを選ぶと、軽くて持ち運びにも便利になります。自宅でも問題なく使えますし、教育実習や大学に持って行く必要がある場合でも、簡単に持ち運ぶことができます。

15.6インチのサイズになると、A4ノートよりも大きくて少し重くなりますので、持ち運ぶのは疲れるかもしれません。大学に持って行くことはあまりない、というような場合であれば、このサイズのノートパソコンを選択しても問題ないでしょう。

ストレージはSSDを搭載しているノートパソコンが多くなりました。教育学部ではそれほど多くのデータを扱うことはないので、128GB以上の容量があれば大丈夫です。ハードディスクでも構いませんが、パソコンが遅いと感じてしまうかもしれません。SSDのほうが、サクサクと快適に使えるでしょう。






教育学部の大学生におすすめのノートパソコン


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この記事を書いた人

  石川
ITエンジニア。2014年から2024年現在まで10年間、約450台以上のノートパソコンのレビューを実施。プログラマー兼SEとして、システムやアプリの開発に携わっています。保持資格:応用情報技術者、基本情報技術者、英検準1級等 
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