わかりやすい!CPUの表記の見方
ノートパソコンの性能を決めるのに重要な要素なのがCPUです。しかし、パソコンを購入しようとする際にCPUを見て選ぼうとしても、CPUの表記ってなんだか記号や数字が並んでいて難しそうですよね。「見方がわからない・・。」と思われる方も多いのではないかと思います。
でも、CPUの表記には規則があって、それを覚えてしまえばCPUの表記を見ただけで大体の性能を理解することができるようになります。
このページでは、一見複雑に見えるCPUの見方を解説したいと思います。
CPUの種類
CPUはぱっと見ると難しい英語が並んでいるように見えますが、実は種類は限られています。これらをおおまかに分類すると以下のような表になります。
メーカー | CPU | 特徴 |
---|---|---|
インテル | Core i3 / Core i5 / Core i7 | 一般向け、ハイスペック しっかりした性能 |
AMD | Ryzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7 | |
インテル | Celeron / Pentium | 低価格のノートPC向け 低性能 |
現在のノートPCに搭載されているCPUは、インテル製のCPU、またはAMD製のCPUの2種類があります。
インテル製のCPUには、Core iシリーズとCeleron/PentiumといったCPUがあります。
一方で、AMD製のCPUはRyzenシリーズがあります。
それぞれの特徴は上の表のようになります。CeleronやPentiumは廉価版のCPUで性能はあまり高くありません。格安ノートPCによく搭載されています。
Core iシリーズやRyzenシリーズは、一般向けのノートパソコンやハイスペックのノートPCによく搭載されています。安定した性能を持っていて、非常に高い性能を示すものから、性能が抑えらえたものまで様々なバリエーションがあります。このCore iシリーズやRyzenシリーズのCPUを搭載したノートパソコンが、一番種類も多く手に入りやすいです。
CPUの表記を理解すると性能がわかる
上の表を見ていただければ、おおよそCPUの分類が理解できたと思います。「私は普通に使いたいから一般向けのCore iシリーズにしよう」など、イメージができてきたのではないかと思います。
では、CPUの性能をさらに理解するために、CPUの表記について見ていきましょう。
CPUの表記とは、例えば「Core i7-1360P」や「Core i5-1335U」というようなものです。番号やアルファベットが並んでいて何やら難しそう、という印象を受けてしまいますが、これが理解できると、パッと見た時におおよその性能を予測できるようになります。
これらのCPUの表記は、以下のように解読することができます。

これらを順番に見ていきましょう。
種類
まず、CPUの種類には以下のようなものがあります。上でも紹介したのと同じ表に、性能の目安を追加しました。メーカー | 種類 | 特徴 | 性能目安 |
---|---|---|---|
インテル | Core i3 / Core i5 / Core i7 |
一般向け、ハイスペック しっかりした性能 |
Core i3< Core i5 < Core i7 |
AMD | Ryzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7 | Ryzen 3 < Ryzen 5 < Ryzen 7 | |
インテル | Celeron / Pentium | 低価格のノートPC向け 低性能 |
Celeron < Pentium |
Core i3やCore i5などの同じ種類で比較する場合、世代とシリーズ(PやUなど)が同じであれば、数字(i3、i5など)が大きくなるほど性能が高くなる傾向にあります。
たとえば、Core i5-1340PとCore i7-1360Pを比較した場合(同じPシリーズ、第13世代)には、Core i7-1360Pの方が性能が高くなります。
また、Ryzenシリーズについても同じで、Ryzen 5 7530UとRyzen 7 7730Uでは、Ryzen 7 7730Uの方が高い性能になります。
もちろん、例外はありますので、詳しく確認する場合は下で紹介するCPUの性能比較表や、メーカーのホームページなどで確認してください。
世代
CPUは定期的に新しいものが登場し、その度に性能が向上していきます。新しい世代になると、世代を表す数字が1つずつ大きくなります。


現在のノートパソコンに搭載されているインテル製のCPUでは、第13世代のものが多く搭載されていて、一部の製品では第12世代や第11世代のものが搭載されています。この例で紹介したCore i5-1340PやCore i5-1335UというCPUは第13世代のCPUで、Core i5-1240PやCore i5-1235UというCPUは第12世代のCPUになります。同様に、Core i5-1135G7というのは第11世代のCPUということになります。
また、AMD製のCPUでは第7世代または第6世代のものが多いです。第7世代のものはRyzen 5 7530UやRyzen 7 7730U、第6世代のものはRyzen 5 6600UやRyzen 7 6800Uが該当します。
世代を意味する数字が大きいほど、新しいCPUということになります。この場合は、Core i5-1240PやCore i5-1235UよりもCore i5-1340PやCore i5-1335Uの方が新しい世代のCPUであることを意味しています。
Ryzenの場合は、Ryzen 5 6600UよりもRyzen 5 7530Uの方が新しい世代のCPUになります。
番号
CPUのナンバーになります。インテル製のCPUの場合はあまり気にする必要はありませんが、AMD製のCPUの場合は少し注意が必要です。
インテル製CPU(Core iシリーズ)の場合
同じ種類、同じ世代で同じシリーズ(以下で説明)のCPUで比較した場合、Core iシリーズの場合は下2桁の番号が大きいほど性能が高くなる傾向にあります。
たとえば、Core i7-1360PとCore i7-1370Pを比較した場合には、Core i7-1370Pの方が性能が高くなります。
AMD製CPU (Ryzenシリーズ)の場合
最新のRyzenシリーズにはRyzen 5 7530UやRyzen 7 7730Uなど、7000番台の数字がついていて、下3桁の番号が大きいほど性能が高くなる傾向にあります。
たとえば、下の画像の例では、同じRyzen 5 7000シリーズのCPUの性能は、Ryzen 5 7520U < Ryzen 5 7530U < Ryzen 5 7535Uとなります。

そして、特に大事なのが下2桁の数字です。ここが「20番台」か「30番台」かで性能が大きく変わります。
「20番台」の場合は、Zen2という一つ前の世代の設計のCPUになります。そして、「30」の場合はZen3というより新しいCPUになり、「35」の場合はZen3+という、さらに改良されたCPUになります。Zen2は一つ前の世代の設計なので、性能はZen3やZen3+と比べて大きく下がります。
そのため、Ryzen 5 7520UなどのZen2のCPUを搭載したノートPCを購入すると、最新のCPUを搭載しているのに、性能がそれほど高くないということになってしまいますのでご注意ください。ただ、Zen2のCPUを搭載したノートPCは価格が安くなるので、なるべく費用を抑えたい場合には良いかもしれません。
また、現在Ryzen 5 6600Uなどの6000番台のCPU(1つ前の世代のCPU)を搭載したノートPCも販売されています。こちらも下3桁の番号が大きいほど性能が高くなります。すべてZen3+の設計になりますので、それほど注意しなくても良いは楽だと思います。
シリーズ
CPUのシリーズを表す記号には主に以下のものがあります。この記号を見ると、どれくらいの性能かを判断するのに役立ちます。
シリーズ記号 | 特徴 | |
---|---|---|
Core i | Ryzen | |
H | デスクトップPC並みの性能を持つ ハイスペック |
|
P | 一般向け Uシリーズのものよりも高性能 (最新は第13世代) |
- |
U | 一般向け (最新は第13世代) |
一般向け |
G | 一般向け (第11世代) |
- |
この中で最もよく目にするのが、Core iの場合はPシリーズまたはUシリーズ、Ryzenの場合はUシリーズになります。両者とも一般向けノートパソコンに多く搭載されますので、この中から選択する人が多いでしょう。
Core iの場合、最新のノートパソコンではPシリーズまたはUシリーズのものが搭載されています。どちらも最新の第13世代で性能は良いのですが、Pシリーズの方がUシリーズのCPUよりも性能は高くなります。一般的にCore i5-1335U < Core i7-1355U < Core i5-1340P < Core i7-1360Pというようになります。
そして価格も、Pシリーズを搭載したノートPCの方がUシリーズを搭載したノートPCよりも高くなる傾向にあります。
Core i5-1135G7のようなGシリーズのCPUは2つ前の世代のものになりますので、ご注意ください。
Ryzenの場合、Ryzen 5 7530UのようにUシリーズのものが一般向けのノートPCとしてよく見かけます。このシリーズのCPUは、Core iのUシリーズと同等以上の性能を発揮します。
Core i、Ryzenともに、HシリーズのCPUはデスクトップPC並みの性能を持つCPUです。ゲーミングノートPCやクリエーター向けのノートパソコンに搭載されていることが多いです。また、負荷のかかる処理を行う場合には検討してみてください。
CPUの性能を知る
上の項では、CPUの表記からおおよその性能を判断できることが分かったと思います。
では、実際にノートPCに搭載される主なCPUの性能は具体的にどうなっているでしょうか?
たとえば、Core i5-1240PとRyzen 5 6600Uの性能の違いなど、インテル社のCPU(Core iシリーズ)とAMD社のCPU(Ryzenシリーズ)の性能がどうなっているのかを知っているとパソコンが選びやすくなります。
ノートパソコンのCPUの性能をグラフにしたものを以下のページにまとめていますので、ご確認いただければと思います。
詳細はこちら → ノートパソコンのCPUの性能を判断する
1.大学生のノートパソコンに最適なCPUは何?
2.インテルCPUを搭載した快適に使えるノートパソコンの選び方
3.大学生の使用用途で比較するノートパソコンの性能
4.大学生のノートパソコンのメモリ容量の選び方
5.大学生のノートパソコンのサイズは何インチが最適?
6.ノートパソコンの寿命~パソコンは何年使える?
7.大学生におすすめのノートパソコン
8.大学生におすすめの薄くて軽い持ち運びに便利なノートパソコン
▲ このページの上部へ戻る