大学生のノートパソコンに最適なCPUは何?

更新日:2024年1月25日

ノートパソコンの性能を決める大事な要素の1つがCPUになります。CPUの性能が高いとサクサク快適に動きますし、逆に性能が低いと動作が遅くてイライラする、ということにもなりかねません。

パソコンを購入するときには、必ずCPUを見て判断する必要がありますが、「なんだか難しそう」と思うことはないでしょうか?このページでは、大学生にとって最適なCPUの選び方をご紹介したいと思います。




CPUの種類をまずは知っておこう


パソコンを購入するときに見ておく必要があるものの1つとしてCPUがあります。ぱっと見ると難しい英語が並んでいるように見えますが、実は種類は限られています。

まず、CPUを大きく2つに分けると以下の表のようになります。


メーカー CPU  説明
インテル(Intel) ・Core iシリーズ
(Core i3/ Core i5 / Core i7など)
・Celeron
・Pentium
搭載しているノートパソコンの種類が豊富
AMD ・Ryzenシリーズ
(Ryzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7)
最近人気が出ている
性能が良いうえに比較的安価



現在のノートパソコンに搭載されているCPUは、インテル製のものとAMD製の2種類があります。

インテル製のものはCore i3やCore i5、Core i7といったCore iシリーズや、Celeron、PentiumといったCPUがあります。Coreは「コア」と呼びます。Core iシリーズを搭載したノートパソコンはとても多いです。ノートパソコンの購入を検討するときは、このCore iシリーズのCPUを見ることがとても多いと思います。

また、性能は抑えめで低価格のノートパソコンに搭載されることが多い、CeleronやPentiumといったCPUもあります。


一方で、AMD製のものはRyzen 3やRyzen 5、Ryzen 7といったRyzenシリーズがラインナップされています。Ryzenは「ライゼン」と呼びます。インテル製のCPUよりも少し性能が良く、その上価格も安価ということもあり、最近非常に人気があってシェアが急拡大中です。

ここまでで、CPUの種類についてインテル製とAMD製の2種類があって、それぞれCore iシリーズとRyzenシリーズがあることがお分かりいただけたと思います。

CPUの種類・インテル製のCPUとAMD製のCPUがある
・インテル製はCore i3 / Core i5 / Core i7 / Celeronなど
・AMD製はRyzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7


参考記事   


インテルCPUを搭載した快適に使えるノートパソコンの選び方





CPUの性能を判断する


では、次はCPUの性能について見ていきましょう。

ノートパソコンを検討する際に、製品のCPUにCore i3 / Core i5 / Core i7、Ryzen 3 / Ryzen 5 / Ryzen 7などを搭載したモデルがラインナップされているのをよく見かけると思います。

これらのCPUの中でどれが一番性能が高くて、どれが一番性能が低いでしょうか?

上述したCPU製のCore iシリーズとAMD製のRyzenシリーズの性能を分類すると以下のようになります。

大まかな目安になりますが、これを知っておくと製品をパッと見た時に理解しやすくなるでしょう。そして、一般的には、CPUの性能が高くなると製品の価格も高くなります。





ノートパソコンのCPUでCore i3、Core i5、Core i7から選べるというモデルが選べる場合は、Core i3を選択すると性能は抑えめになるのだな、Core i7を選択すると高性能になるのだな、Core i5を選択すると性能と価格のバランスがとれるのだな、というような判断ができます。

Ryzenについても同様で、性能はRyzen 3 < Ryzen 5 < Ryzen 7となり、価格も同様になります。


CPUについてのおおよその性能の雰囲気は理解していただけたと思いますが、CPUが難しいのは同じCore i5やCore i7でもいくつかバージョンがあるということです。

たとえば、Core i7に関していうと、以下のようなものがあります。

・Core i7-1360P
・Core i7-1355U
・Core i7-13700H


少し難しいな、と思われるかもしれません。これらはCore i7という括りでは同じなのですが、実は性能が少しずつ違います。

また、CPUは毎年新しいものが出るので、CPUのバージョンも変わります。新しいCPUの方が性能は良くなるため、同じCore i7でも性能の高い低いが出てきます。

CPUの性能をざっくりと判断するには、以下のように覚えておくとシンプルでわかりやすいです。

  Core i
シリーズ
Ryzen
シリーズ
ハイスペックCPU Core i7-13700H
Core i7-12700H
Ryzen 7 7840HS
一般向けCPU  Core i7-1360P
Core i7-1355U
Core i7-1255U
Ryzen 7 7735U
Ryzen 7 7730U


非常に性能が高いハイスペックなCPUには、末尾に「H」がついています。「High Performance (ハイパフォーマンス)、High-Spec (ハイスペック)」のHだと覚えておくとわかりやすいです。頭一つ飛びぬけた性能を発揮します。

また、一般向けの良い性能のCPUには末尾に「P」や「U」がついています。「Performance(パフォーマンス)」、「Usual (ユージュアル:普通)」という感じで覚えておくと良いでしょう。

一般向けのCPUでは、末尾にPがついているCPUの方が、UがついているCPUよりも少し良い性能なのですが、あまり気にしなくて大丈夫です。ここ1~2年のCPUの性能アップはすごくて、最新のモデルであればどちらを選んでも大学での学業やプライベートで使うにあたって性能不足で困るということはまずないです。


CPUの表記の見方については、別の記事にも詳しくまとめています。もし、CPUの見方をより詳しく知りたい、細かな性能の違いを理解したいという方は、そちらを見ていただければと思います。(参考記事:CPUの表記の見方)。







大学生はどのCPUを選べば良い?


それでは、具体的に大学生に最適なCPUを詳しく見ていきたいと思います。


Core iシリーズとRyzenシリーズ、どっちがいい?


まず、最初に悩むのはCore iシリーズとRyzenシリーズのどっちがいいか?という問題です。

「TVとかでインテルって聞いたことあるからCore iシリーズの方がいいんじゃない?」とか、「なんとなくRyzenの響きがかっこいいからこっちにしようかな」、とか思う人もいるかもしれません。個人的には感覚で決めても困ることは少ないかなと思うのですが、性能や価格について知っておくとより判断がしやすいと思います。

Core iシリーズとRyzenシリーズはどちらも良い性能ですが、筆者が多くのノートPCをレビューした限り、2024年現在の時点では、性能はCore iシリーズの方が少し良いように思います。

ただ、普通に使う分には性能差はほとんど問題になりません。専用のソフトで計測すると違いが出るのですが、体感的に速度が違うということはありませんので、あまり気にしなくても良いと思います。

一方で、RyzenシリーズのCPUを搭載したノートPCの方がCore iシリーズを搭載したノートPCよりも安い価格で購入できることが多いです。

性能をとるか、価格をとるかという判断になると思いますので、用途や予算などをもとに検討していただければと思います。




文系の大学生に最適なCPU


文系の場合は、WordやExcelを使った講義のレポートや書類作成、インターネットでの調べ物や検索、動画鑑賞、プレゼン、就職活動など、比較的負荷のかからない作業がほとんどです。

そのため、文系の大学生の場合はほとんどの場合、一般向けのCPUを選択すれば大丈夫です。

CPUはCore i3やCore i5、Ryzen 3やRyzen 5が良いです。それほど高い性能は必要ないのでCore i3やRyzen 3でも大丈夫です。できればCore i5、Ryzen 5を選択しておくと長く快適に使い続けられるでしょう。
文系に最適なCPU 一般向けのCPU
・Core i3 / Core i5
・Ryzen 3 / Ryzen 5



理系の大学生に最適なCPU


理系の場合は、負荷のかかる処理が増える傾向にあります。専門ソフトを使ったり、プログラムを書いて解析やデータ処理を行ったりする人もいます。複数の作業を並行して行うことも多いです。

ただ、このような使い方を全くせずに卒業する人も中にはいるのですが、どちらになっても対応できるようにするためにも、性能の良いものを選んでおくと安心です。

理系の中でも8~9割くらいの大学生は一般向けのCPUで問題ありません。多くの理系大学生が該当します。Core i5やCore i7、Ryzen 5やRyzen 7が良いです。しっかり使うことができるでしょう。

残りの1~2割については、理系の中でも3DCADを動かしたり、AIなどのグラフィックス(GPU)を使ったプログラミングを行う人などは、とても高い性能が必要となります。CPUの末尾にHがついたもの(Core i7-13700Hなど)を搭載し、さらにNVIDIA GeForceシリーズの高性能なグラフィックスを搭載したハイスペックな製品を選択すると良いでしょう。
理系に最適なCPU 一般向けCPU
・Core i5 / Core i7
・Ryzen 5 / Ryzen 7

ハイスペックCPU
・Core Hシリーズ(Core i7-13700Hなど)
・Ryzen Hシリーズ (Ryzen 7 7840HSなど)



美術・芸術・デザイン系の大学生の場合


美術・芸術・デザイン系の場合は、専攻する内容によるのですが、学校で作品制作を行うことがよくあります。作品制作はパソコンに負荷がかかることが多く、高い性能が求められます。

そのため、Windowsを選択する場合はハイスペックなCPUを選択するのが良いでしょう。また、NVIDIA GeForceなどの高性能なグラフィックスも必要となることも多いです。

ただ、これらの学部の場合、学校からMacを指定されることも多いです。作品制作の現場ではMacが使われることが多い、授業でMacを使う、というのが理由のようです。

大学から説明があると思うので、予め確認しておくのが良いです。新入生の場合は、入学時にパソコンの案内や説明があると思います。




例外として


文系も理系も、多くの学生が一般向けのCPUを搭載したノートパソコンで大丈夫なのですが、もしゲームをしっかりプレイしたい、本格的な画像や動画編集などをやりたいというような場合には、ハイスペックなCPUと高性能なグラフィックス(NVIDIA GeForceシリーズ)を搭載したノートパソコンを選択したほうが良いです。

これらの作業は大きな負荷がかかるため、一般向けのCPUを搭載したノートパソコンでは性能不足になることがあります。






一般向けのCPUを搭載したノートパソコンの選び方


文系・理系を含め、多くの大学生が一般向けのCPUを選択することになると思います。ただ、一般向けのCPUを搭載したノートパソコンはとても多いので、さらにどの製品を選んだらいいのか迷ってしまうかもしれません。

選び方の基準としてはいろいろあるのですが、大学生の場合は「大学に持っていくかどうか?」を基準にして考えると良いと思います。

というのも、講義やゼミ、研究室にノートパソコンを持っていく場合、自宅との往復や大学構内での移動などでパソコンを持ち歩くのはとても疲れます。教科書やノート、私物などの荷物もあることを考えると、なるべく軽いほうが負担が軽減されて勉強にも集中できますし、友達との大学生活も楽しむことができます。

大学に持っていくことがほとんどない場合には、少々重たくてもまったく問題ありません。どんなパソコンを選んでも大丈夫です。

もし、わからないということであれば、大学に持っていくことになっても大丈夫なように、なるべく軽いものを選んでおくと安心です。

ちなみに、ノートパソコンのサイズと重さのおおよその関係は以下のようになります。

サイズ  重さ  持ち運びのしやすさ 
15.6インチ以上 約1.5kg以上
14インチ以下 約690g~1.4kg


持ち運ぶことを考えているのであれば14インチ以下の軽い製品を、自宅に置いておくことがほとんどという場合は15.6インチ以上も含めた全ての製品から選択すれば大丈夫です。

そこが決まれば、あとはデザインやメーカー、価格などで絞り込んでいけば決めやすいと思います。

このことを元に、一般向けのCPUを搭載したノートPCで持ち運びのしやすいものやデザインの良いもの、自宅で使いやすいものを以下にご紹介していますので、参考にしていただければと思います。



一般向けのCPUを搭載したおすすめノートパソコン




HP ENVY x360 13-be



1kg以下の超軽量ノートPC
高性能で高速な動作
爽やかなカラーデザイン

HP Pavilion Aero 13-be詳細


富士通 LIFEBOOK WU2/H1



約634グラム~の世界最軽量ノートPC
ポート類が充実
3色のカラーバリエーション

LIFEBOOK WU2/H1詳細


dynabook GZシリーズ



1kgを切る超軽量ノートPC
周辺機器との接続が安心
最大24時間のロングバッテリー

dynabook GZ詳細


DELL Inspiron 14



シンプルで飽きの来ないデザイン
周辺機器との接続も安心
購入しやすい価格帯

DELL Inspiron 14詳細


Lenovo Ideapad Slim 5i Gen8



高い性能で10万円以下
スリムでスッキリしたデザイン
OLED(有機EL)搭載モデルもあり

Ideapad Slim 5i Gen8詳細


dynabook AZシリーズ



作業がしやすい15.6インチノートPC
快適に動作して使いやすい
光学ドライブ搭載

dynabook AZ詳細


Lenovo Yoga 7 Gen 8



高い性能で快適に使える
上質なデザイン
映りの良いディスプレイ

Lenovo Yoga 7 Gen 8詳細


HP Pavilion 15



15.6インチの広い画面で快適
性能が良く、サクサク使える
使いやすいデザイン

HP Pavilion 15詳細


NEC LAVIE Direct N13



コンパクトなサイズ
1kg以下の軽さで楽々持ち運べる
周辺機器との接続も安心

NEC Lavie N13詳細


マイクロソフト Surface Laptop Go 3



スタイリッシュなデザイン
コンパクトで軽く、持ち運びしやすい

Surface Laptop Go 3詳細







ハイスペックCPUを搭載したノートパソコンの選び方


ハイスペッククラスのCPUは高速に動作し高い性能を発揮してくれます。一般向けCPUよりも1.5倍~2倍程度も性能が良いです。

また、ハイスペックなCPUを搭載したノートパソコンには、高性能なグラフィックス(NVIDIA GeForceシリーズ)も合わせて搭載した製品が多くあります。このような製品を使うと、デザインやイラスト作成、本格的な画像・動画編集、ゲーム、アニメーション、3DCADやCG制作などの高いグラフィックス性能を必要とする作業を快適に行うことができるようになります。

ハイスペックCPUを搭載したノートPCで持ち運ぶのに便利な軽い製品は、2024年現在ではYoga Pro 7i Gen 8という製品とDAIV R4という製品の2種類くらいしかありません。

大学に持っていくということを考える場合には候補が少ないです。これを選びやすいと考えるか、もっといろいろな製品から検討して選びたいと考えるかは、人によって判断がわかれるところだと思います。

これらの製品以外では、基本的には15.6インチ以上で2.0kgを超えるものが中心です。この傾向は昔から変わっていなくて、ハイスペックCPUを搭載したノートPCは大きめで少し重ためなものが多いです。

自宅に据え置いて使う場合には、重さや大きさを気にしなくてもよくなります。あとは、高性能グラフィックス(NVIDIA GeForce)をどれにするかといったことや、デザインや価格から絞り込んでいけば良いでしょう。



ハイスペックCPUを搭載したおすすめノートパソコン




Lenovo Yoga Pro 7i Gen 8



購入しやすい価格帯
持ち運べるハイスペックノートPC
高性能グラフィックスの有無を選択可

Yoga Pro 7i Gen 8詳細


マウスコンピューター DAIV R4



クリエイター視点で開発されたPC
作品制作に最適
わずか1.43kgという軽さ

DAIV R4詳細


HP Victus 16 (AMD)




非常に性能が高い
さわやかなデザインで使いやすい
購入しやすい価格帯

HP Victus 16(AMD)詳細


DELL G15



NVIDIA GeForce 4000シリーズ搭載
高性能ゲーミングノートPC

DELL G15詳細


HP Spectre x360 16



タブレットとしても使える2in1 PC
高性能グラフィックスの有無を選択可
高級感のある洗練されたデザイン

HP Spectre x36 16詳細


富士通LIFEBOOK WN1/H1



専用グラフィックスは非搭載
テレビ録画も可能(オプション)
17インチの大画面

LIFEBOOK WN1/H1詳細


マウスコンピューター mouse K5



負荷のかかる処理もこなせる
GeForce MX550搭載
周辺機器との接続も安心

mouse K5詳細






この記事を書いた人

  石川
ITエンジニア。2014年から2024年現在まで10年間、約450台以上のノートパソコンのレビューを実施。プログラマー兼SEとして、システムやアプリの開発に携わっています。保持資格:応用情報技術者、基本情報技術者、英検準1級等 
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